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一期一会

べびプリの下の日記をイメージして書いてみた走り書きです。
ツイッターでの発言に軽く手足をつけた程度


A HAPPY NEW YEAR 2012

今回は固め描写で無個性長男。
お堅いカメラあたりと思うかといいかと

可愛さ控えめですが、たまにはこういうのを吐き出したくなるようです。
私なりの少し長いあけましておめでとうございますみたいなものです。



 正月の朝、吹雪が唐突に自分を呼びに来た。
 そして新年の挨拶も早々に袖を引きどこかに連れて行こうとする。
「朝からどうしたの、吹雪?」
「約束なので依頼者と内容については明かせません。ですが来てください」
 そう答えると吹雪は袖をくいと引いた。セーターの袖に絡まる吹雪の白い指、
 強引と感じない程度にやんわりと、だが確かに前へと導く力の流れ。
 詳細はわからないが、誰かに何かをお願いされたようである。
 黙ってうなずくと吹雪の表情がわずかに緩んだ。
 
 吹雪に連れられてきたのは我が家の和室……のふすまの前である。
 見慣れたふすまの向こうには誰ががいるようで、ごそごそと動く人の気配を感じる。
「ここに何があるの?」
「答えられないと言ったはずです……連れてきました」
 そっけない吹雪の言葉の後半はふすまの奥へ向けられたもの。
 途端に部屋の中から騒々しい声が聞こえてきた。
「タイヘン、オニーチャンもう来ちゃったヨ!」
「待ってください……もう少し……よし、完璧です♥」
「私がどうして下僕のためにこんなこと……ブツブツ」
 その声に嫌な予感を感じた。
 ひそめられた声に混ざる喜びの余韻は何かをイメージさせる。
 すなわち悪だくみ。今までも数度こんなことがあった。
 学校の扉に黒板消しが挟まれている類の単純なものではないだろうが、
 この扉の向こうには自分を驚かせるための仕掛けが待っているに違いないからである。
「押さないで、痛いわよ!」「ソンナこと言われても~」「ま、待ってください!」
 あわただしい声がしばらく響き、向こう側が静かになった。
「開きます」中の気配を見計らってふすまの脇に座った吹雪が一言。
 
 ふすまがすっと開かれた。
 結論から言うと予想は半分正しく、半分間違っていた。
 中に待ち受けていたのは驚愕と呼ぶべきものであったが悪戯と呼べるものではない。
 悪意の悪の字もない、そう呼ぶ気すらおきない。もっと純粋な――

 静まり返った部屋にひとつの影があった。
 和室の中央には振袖に身を包んだ少女が正座している。

 陽光の中で青みがかって見える色素の薄い髪。
 大理石のような白い肌はその中でも一際輝く。
 我が家の十三女、綿雪だった。
 
 だが今の綿雪の表情は普段と異なっている。
 真摯な瞳はこちらに向かいながらも綿雪自身の奥底を見据えてるかのよう。
 軽く結ばれた薄桃色の唇、真っ直ぐに伸びた背筋が凛とした雰囲気を漂わせる。
 
「あけましておめでとうございます」

 綿雪が上半身を前に倒した。
 手をひざの前の畳につけて、ゆっくりと頭を下げた。
 その一連の造作の間も背筋は伸びたままで崩れない。

 正しい所作の中にある綿雪は礼を尽くす女性の姿そのもの。
 松竹梅があしらわれた赤い振袖から伸びる白い手,
 柔らかながらも芯が通り整然とした表情。
 お辞儀の中でわずかに揺れ輝く長い髪。

 十年後の綿雪の姿が見えた気がした――


「今年もよろしくお願いしますね。お兄ちゃん♥」
 ゆっくり頭を上げた綿雪がにこりと笑う。
 見慣れた笑顔の花が咲いて魔法の時間は破られた。
「あ、あけましておめでとう。ことしもよろしく!」
 慌てて頭を下げた。
 何かを惜しがる気持ちとすごくほっとした気持ちで胸の奥がいっぱいだった。
「まったくボーっとしてるんじゃないわよ。この下僕!
 まあこの私だって見とれちゃったんだから下僕なんてイチコロに決まってるけど、
 アナタは下僕なんだからわきまえなさいよ。私の下僕なんだから!」
 無茶苦茶を言いながら脇を小突く氷柱にも今回だけは救われたような気がする。
 氷柱に続いて隣の部屋から蛍と立夏が笑いながら姿を見せた。
「ユキちゃん、今日の朝からすっごく頑張ってたんですよ?
 昔ホタ達が習ったご作法のお話をしたら、お兄ちゃんに今年で一番立派な挨拶をしたいです!
 って、ホタ達も思わず仕付けとか練習とかお手伝いしちゃいました」
「ホントにユキちゃんスゴかったよ!リカは一分でダメだったモン☆」
「立夏は正座で諦めて、あとは練習台で立ってただけでしょ……」
 氷柱が立夏に呆れる中、綿雪が再びお辞儀する。
「氷柱お姉ちゃんも、蛍お姉ちゃんも、立夏お姉ちゃんもありがとうございました」
 戸口のほうに向かってもう一度。
「そして吹雪ちゃんも」 
 扉の影から吹雪が顔を出す。その顔は若干不満そうに見える。
「どういたしまして、ユキ。でも私はわかりません。
 集団のコミュニケーションにおいて挨拶が重要な要素であることは私も把握しています。
 ですが、どうしてここまでする必要があるのでしょうか?」
「吹雪ちゃん、ありがとう。そう、ユキが……しあわせだから」
「ユキ?」 
「心配しないでくださいね。お兄ちゃん。
 今のユキはしあわせが怖いわけじゃありません。
 でもユキはまだ体が弱くて家族と一緒にいれないことがあるから、
 お正月やクリスマスの日に家族のみんなやお兄ちゃんと一緒にいられると、
 ユキはなんて幸せな女の子なんだろうと思います。
 お兄ちゃんがいて家族のみんながいて『おめでとう』と言えて、
 一緒にお正月のおせちを食べられることがとーっても幸せだと思います! 
 だからユキは、そんなすてきな毎日にお礼が言いたいです。
 毎日お礼を言うのは無理だけど、こんな特別な日ぐらいは
 今しかこの日にしかできないユキのせいいっぱいのお礼が言いたいです。
 今朝に蛍お姉ちゃんがしていた礼儀の話を聞いて、ユキは思いました。
 今日のユキにできるいちばんのごあいさつができるユキになりたいです。
 ごあいさつが遅くなってごめんなさい。でも、もう一度言わせてくださいね」
 綿雪はそう言って手をつくと丁寧にお辞儀をした。
「あけましておめでとうございます、お兄ちゃん♥」




と日記のユキがあまりに可愛かったので
お辞儀をするユキをイメージしてみた感じです。

 ぶっちゃけるとお辞儀するユキの描写を書いてみたかっただけです。
 あと真剣な子が一瞬別人にみえる瞬間とか好きです

何事も一期一会、今年もよろしくお願いします

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プロフィール

Author:akio(あきお)
とってもゆるい人間が気まぐれに記事を書いたり、書かなかったりします。見てくれる方はあまりいないでしょうが、見て頂けるのでしたらありがたい限りです。
小説っぽいものを出したり、出さなかったりするサークル「妄想ワンコインスタンド」のほったて窓口。メールは aki44013あっとまーくgmail.com まで。twitterはdm_akioまで

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