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Cheerful Careful Christmas

クリスマス乾杯SSです。
この3年間私と共にいてくれたべびプリ。
嬉しいことも悲しいこともありますが、
私は大好きだと心から叫びます。
そんな思いを込めた乾杯SSです。

内容的は吹雪ですが、
時間があれば全員書きたいぐらいです。
これからも長男の皆様よろしくお願いいたします。



「乾杯!」
 今日はクリスマス。キリストの生誕祭であり、自分がこの姉妹たちに出会えた日である。
数十回の乾杯を重ね、数百回の笑顔を交わし、数千回の幸せに触れる。そんな毎日がこれからも続いてゆくことを確認する大切な日である。ウチの家族と言えば今日はいつもより華やかな衣服に身を包み、それぞれ思い思いの時を過ごしているようだった。

 フロア一面を使った立食形式のパーティだが並べられているのは春風と蛍の絶品の料理。
 「うまいうまい」と食欲を満たし、シャンパングラスに入ったジュースを少しだけ気取って飲む。

「氷柱ちゃん、チャオー☆」
 立夏のグラスが氷柱のグラスにぶつかりカチンと甲高い音を立てた。
「あぁ!もうアブないわね!このバカ立夏!
 それにチャオじゃなくて乾杯はチアーズでしょ。
 いや、トーストもあったわね。どっちがいいのかしら……」
 向こうでは立夏と氷柱が何度目かの乾杯を繰り返していた。

 まったくあの二人らしい姿で笑ってしまう。
「そういえばなんでトーストって言うんだっけ?」
 ちょうど目の前に吹雪がいたので聞いてみた。
 吹雪はいつものワンピースより華やかな純白のドレス、
 色素の薄い瞳をこちらに向けて口を開いた。
「おそらくキミの想像通りです」
 吹雪は食卓からパンを取るとこちらのグラスに一欠け浮かべた。
「乾杯の際のトーストはお酒に風味をつけるためパンを入れたことに由来します」
「へー、そのまんまなんだ」
「さらに言うと乾杯の際にグラスをぶつける行為は――」
 吹雪のグラスがこちらのグラスに触れ、キンと澄んだ音を響かせる。
「悪魔は大きな音を嫌うと言われることから生まれた厄除けのおまじないです」
 楽しそうに吹雪は薀蓄を語る。
 何となく自分のグラスを吹雪のグラスにぶつけてみた。
 またキンと澄んだ音が響いた。吹雪の言葉のせいだろうか。
 鈴の音のような響きが周囲を清らかにしてくれたような気がする。
 なんだかうれしくなってもう一度、キィン。
 家族がもっと幸せになることを祈ってもう一度、ガキン。
 ガラスの大きな音に吹雪は眉をひそめた。
「キミはグラスを割るつもりですか?」
「あ、ゴメン。つい」
「まったく……」
「うちの家族には絶対に不幸になってほしくないって
 絶対に幸せになってほしいと思ってたら、なんか……」
「まったく――キミは――」
 吹雪はあきれたように笑うと、
「そんな音を鳴らす必要なんてありません。ちょっと貸してください」
 こちらのグラスを手に取ると一息に飲み干した。
「グラスに最後に残ったトーストを飲み干したものは幸せになるという言い伝えがあります」
 吹雪の薄い桃色の唇から赤い舌が覗いた。舌がなぞるグラスの縁は自分が口をつけた所で――
 思わず赤面するこちらをよそに吹雪は言葉を続ける。
「そんな心配は不要です。仮に今日という日が終わってもキミと私は家族です。
 どんな時も嬉しいこと悲しいこと全てを包有して私達はこれからも続いていきます」
 そして吹雪は自分のグラスにジュースを注いだ。
「このような触れ合い方が私達らしいのかもしれませんね。幸せのおすそわけです、どうぞ」
 目の前に出されたグラス、間接キスだなんてことは言うまでもないわけで、
 おすそわけということは今も吹雪は幸せを感じているということで、
「まったく――」
 なんで俺の家族はこんなに可愛いのだろう。
 今目の前にいる吹雪ももちろん。海晴姉、霙姉、春風さん、ヒカル、蛍、氷柱、立夏、小雨、麗、星花、夕凪、吹雪、綿雪、真璃、観月、さくら、虹子、青空、あさひ。
 みんながみんな、それぞれのあり方で側にいて笑顔をくれる。それだけでこんなにも幸せでいられる。
 そしてこんな家族が居る限り時に悲しいことがあってもこれからも幸せは続いていく。
 そう信じられるほんとうの家族が側にいる。
 今はこの胸いっぱいのしあわせをグラス一杯のジュースと共に飲み干すことにしよう。
 それがきっと長男である自分にできる祈り。
「――乾杯!」

(終)




<余談>
 その後、この話を聞きつけた十数名の乾杯のしすぎでグラス数個が大破。
 ジュースの飲み過ぎでお腹が膨れて眠れなくなるという事態が発生するが、
 例えるならば幸せの二日酔い、トータルすればいつも自分は幸せである。


まあ今の想いを込めつつ吹雪話を書いてみました。
ちょっと吹雪が積極的すぎるという人はこの話の直後でまだちょっと妬いていたのかもしれません。

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プロフィール

Author:akio(あきお)
とってもゆるい人間が気まぐれに記事を書いたり、書かなかったりします。見てくれる方はあまりいないでしょうが、見て頂けるのでしたらありがたい限りです。
小説っぽいものを出したり、出さなかったりするサークル「妄想ワンコインスタンド」のほったて窓口。メールは aki44013あっとまーくgmail.com まで。twitterはdm_akioまで

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