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可能性の少女は白絹の中に

星花一人語りSS。
内容は完全に妄想でこんなことがあったら?
とそんな内容です。

話は地味に重い?

=============================================================================

(始)

――お兄ちゃんは知ってますか?

星花のトレードマーク、
白いシニヨンキャップの中の星花の髪、
どのぐらいの髪の長さでどのぐらいの髪の量か、
この髪を解いた星花はどんな姿をしているか――


星花だって赤ちゃんの時から
お団子だったわけじゃないんです。

三国志と関羽様が好きな気持ちと同じように
外で元気で遊ぶのが楽しいのと同じぐらいに、
それでも、星花だって、女の子なんですから、
綺麗なお姫様に憧れる気持ちもあるんです。

黒い髪を長く伸ばして、
綺麗なリボンをつけて、
長いスカートを着れば、

綺麗なお姉ちゃん達には到底かないませんけど、
星花だって少しぐらいは三国志のお姫様みたいに――

長い髪は星花のそんな心の表れなのかもしれません。
歩く度に肩で揺れて星花の心をそっとくすぐります。

「星花ちゃーん、早く行こうよー。はやくはやくー!」

遠くから夕凪ちゃんの声が聞こえました

一つ下の妹の夕凪ちゃん。
マホウが大好きでどんな時も一生懸命な女の子。
一生懸命すぎて少し心配になる時もあるけど、
夕凪ちゃんは頑張った後にいつも可愛くえへっと笑います。
その笑顔を見るといつも星花はの心はほんわか温かくなります。

星花にとって一番仲の良い家族で、
でも時々心配で守りたいと思う大切な妹です。
関羽様も同じような気持ちで弟を守りたかったのかなと星花は思います。

今日は夕凪ちゃんとお散歩です。
お家を出てから住宅街の方を歩いて戻ってくるいつものコース。
時々綺麗な花壇や可愛い犬をみつけては足を止めて眺めて、
飽きたらまた歩き始める探検みたいな散歩です。

さっきも夕凪ちゃんと一緒に
偶然通りがかった家の垣根の隙間に頭を入れて
お庭にある綺麗なバラの花壇をのぞいていたところです。
でも夕凪ちゃんは元気だからお花を見てすぐ次に向かおうとします。
こんなに綺麗なお花なんだからゆっくりしてもいいのに、と星花は思います。

「うん、すぐ行くよー!」

夕凪ちゃんの後を追いかけようとした時、
頭をくいと引かれるような感覚がありました。

「夕凪ちゃん、待って」

星花の髪が垣根の枝に絡み付いていました。
あわてているせいか指でほどこうとしても上手くいきません。
その間も夕凪ちゃんの声が離れるので星花は余計に慌ててしまいます。
髪の絡まる先を探っても髪をほどくことができませんでした。

「もーっ!早くしないと夕凪、先にいっちゃうよー!」

遠のいていく夕凪ちゃんの声に、
星花は大切なことを思い出しました。

この先には車の多い交差点があるということ、
夕凪ちゃんが前に信号無視をしてお姉ちゃんに怒られたことがあること。
まさか、今回も、と思うのですが、急がなきゃいけないのに

垣根に頭を差し込んでいたせいでしょうか、
枝に複雑に絡みついた髪の毛はほどけそうにありません。
何度繰り返しても引かれる髪が痛くて、
伸ばした指先を尖った枝がちくちくと刺して、
思わず涙がこぼれそうになった時、星花は、
夕凪ちゃんの声が聞こえないことに気がつきました――

星花は絡まった髪の毛を手に取ります。
大切な長い髪、お姫様になるために必要な髪、
それにきゅっと力を込めて――

夕凪ちゃんはきっと大丈夫だと思います。
ゆっくり追いかけても元気な笑顔を見せてくれると思います。
でも、万が一の時に、もし間に合うことができなかったら、
星花は絶対に後悔するから、

――強く髪の毛を引きました。


ぶつんと何かが切れる感覚と痛み、垣根に残った数本の髪、
千切れた髪の毛はいつもと同じ黒くて長いままでしたけど、

星花は振り返らずに走りました。

アスファルトを蹴る固い感覚を繰り返して、
いつもより遠く感じる曲がり角を何度も曲がって、
車が行き交う交差点の前、夕凪ちゃんはそこで待っていました。

「もー遅いよ、星花ちゃん。あれ、どうしてそんなに疲れてるの?」

夕凪ちゃんがいつもとまったく変わらないあたたかい笑顔で笑うので、
息が絶え絶えだったことも忘れて星花は――笑っていました。

「ううん、何でもないよ。夕凪ちゃんに追いつけて――本当に良かったから」


「いいんですか星花ちゃん?こんなに綺麗な髪なのに」
春風お姉ちゃんが星花の髪を編みながら尋ねます。

あの日の翌日、美容室に行って髪を整えてもらった後、
星花は春風お姉ちゃんに髪をお団子にして欲しいとお願いしました。

あ、でも、誤解しないでくださいね。
本当に夕凪ちゃんのせいじゃないんです。

星花がこうしたいと思っただけです。
あの時、本当に夕凪ちゃんが安全だと知ってたとしても、
きっといつかこうする時が来たんだと思います。

やっぱり星花は、
夕凪ちゃんのために、家族のために、
そして一番大切な人――ご主君様のために――
一番に駆けつけられる、そんな子でいたいです。

そんな星花が――
ご主君様を守れるかもわからない子供の星花が、
綺麗なお姫様も一緒に目指すのが欲張りだったんだと思います。
だから星花はこの髪をシニヨンキャップの中に仕舞っておくことにしました。
少しだけミレンがましいかなと思う時もありますけど、
三国志みたいですし、星花にはこれが一番いいんだと思います。

でも――
いつか――
星花が大人になって――

お姉ちゃん程じゃないけど、
一人前の立派な女の子になれた時、
シニヨンキャップを外せる時が来るかもしれません。

その時、シニヨンキャップの中の隠した髪だったら、
ショートにだって、ボブにだって、ロングにだって、
お兄ちゃんが望むならどんな髪型にだってなれます。

お兄ちゃんはその時、
どんな星花に会いたいと言ってくれますか――?


(終)

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星花の髪は実際どこまでなのか、
そんな論争が色々あるわけで、
でも私はどんな人のどんな時の星花も否定したくないから、
長くてもいいし短くてもいいし、シニヨンが無い時期もあるかもしれない。
そして、この先どんな風になってもいいかもしれない。

仮に公式とかみ合わない、そぐわないことがあっても、パラレルなり、
またはそんな髪の星花がありえるエピソードを考えるのも醍醐味なわけで
みんなそれぞれの大好きな星花を大事にして欲しいなーとか思うわけで、

どんな髪型があっても良いじゃないみたいな
メインの公式星花がいてもパラレルな星花も頭に置いてもいいじゃないとか
∀的なお話を実験的に書いてみたり、

シュレディンガーの猫の内容は世間一般のイメージと
実際のところは少し違うのですが、ここではあえて
星花を箱の中にいれて髪の毛ジョキジョキマシーン1号(100パターンの髪型記憶)
をランダムスイッチオン!せいかちゃんしちせいとうかわいい!おそれはしない!
ほーら箱の中には100通りの星花がいっぱい、
どんな髪型でもいいじゃない。それに当たるのがシニヨンでもいいかなーと

まあこれも野暮にしかならないかもしれないので、私の趣味です!
とだけ言い訳はしてみる。

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プロフィール

akio(あきお)

Author:akio(あきお)
とってもゆるい人間が気まぐれに記事を書いたり、書かなかったりします。見てくれる方はあまりいないでしょうが、見て頂けるのでしたらありがたい限りです。
小説っぽいものを出したり、出さなかったりするサークル「妄想ワンコインスタンド」のほったて窓口。メールは aki44013あっとまーくgmail.com まで。twitterはdm_akioまで

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